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片付けない子どもが変わる!保育士が園でやっている「お片付けの声かけ」10選

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「片付けなさい!」「もう何回言ったらわかるの?」

毎日のように同じセリフを繰り返しているうちに、自分の声がだんだん大きくなって、最後にはイライラしてしまう……そんな経験、ありませんか?

我が家も2人の男の子がいて、夕方のリビングはいつもおもちゃの海。「もう片付けて!」とつい怒鳴りそうになる日もあります。

でも、保育士として園でたくさんの子どもたちを見てきた中で気づいたのが、「声かけを少し変えるだけで、子どもは驚くほどすすんで片付けるようになる」ということ。

この記事では、保育士・幼稚園教諭の資格を持つ2児のママが、園で実際に使っている「お片付けの声かけ」を10個ご紹介します。

この記事でわかること
  • 「片付けなさい」を言わずに、子どもが自分から動き出すフレーズ
  • 年齢別(1〜6歳)の効果的な声かけのコツ
  • 逆効果になりやすいNGワードと言い換え方

明日からひとつ取り入れるだけで、ガミガミ言わなくてもお片付けタイムが少しラクになりますよ。

Contents
  1. 子どもが片付けないのには3つの理由がある
    1. 理由①|何をどこに片付けるか分からない
    2. 理由②|遊びの途中で気持ちが切り替わらない
    3. 理由③|大人の言葉が抽象的で伝わっていない
  2. 保育士が園でやっている「お片付けの声かけ」10選
    1. ①「お片付けの時間だよ」と事前に予告する
    2. ②「あと◯回でおしまいね」とカウントダウン
    3. ③「ブロックさん、おうちに帰ろう」と擬人化する
    4. ④「どっちから片付ける?」と選択肢を与える
    5. ⑤「ママは赤、◯◯ちゃんは青」と分担する
    6. ⑥「タイマーが鳴るまで競争!」とゲームにする
    7. ⑦「上手にしまえたね」と過程をほめる
    8. ⑧「ここに入れてくれる?」とお願い形にする
    9. ⑨「片付け終わったら◯◯しようね」と楽しみを伝える
    10. ⑩「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝える
  3. 声かけの効果を高める3つのポイント
    1. ポイント①|同じ声かけを続けて「習慣」にする
    2. ポイント②|完璧を求めない(やる気を削がないコツ)
    3. ポイント③|できたときは「具体的に」ほめる
  4. 【年齢別】効果的な声かけのコツ
    1. 1〜2歳|「一緒にやる」が大前提
    2. 3〜4歳|選択肢とゲーム性で意欲アップ
    3. 5〜6歳|自分で考える余白を残す
  5. それでも片付けないときの対処法
    1. 「片付けないと捨てちゃうよ」が逆効果な理由
    2. 収納環境を見直す(高さ・量・分かりやすさ)
    3. 子どもの気持ちを言葉にしてあげる
  6. まとめ|声かけ次第で「お片付け」は楽しい時間になる
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子どもが片付けないのには3つの理由がある

声かけを変える前に、まず知っておきたいのが「なぜ子どもは片付けないのか」という理由です。やる気がないわけでも、わざと困らせているわけでもありません。子どもなりの理由がちゃんとあります。

理由①|何をどこに片付けるか分からない

大人にとっては当たり前でも、子どもにとっては「これはどこにしまうの?」が分からないことが多いものです。おもちゃ箱に色んなものが混ざっていたり、しまう場所がコロコロ変わったりすると、片付けの意欲は一気に下がります。

理由②|遊びの途中で気持ちが切り替わらない

子どもは遊びに没頭していると、大人が思う以上に深く世界に入り込んでいます。突然「終わり!」と言われると、楽しい時間を取り上げられた気持ちになり、反発するのは自然な反応です。

理由③|大人の言葉が抽象的で伝わっていない

「ちゃんと片付けて」「きれいにして」――こうした言葉は、実は子どもには意味が伝わりにくい表現です。「ちゃんと」「きれい」は大人の基準であって、子どもにとっては具体的に何をすればいいのか分からないのです。

保育士が園でやっている「お片付けの声かけ」10選

ここからが本題。保育の現場で日常的に使われている、効果的な声かけを10個ご紹介します。

①「お片付けの時間だよ」と事前に予告する

使う場面:夕食前、お風呂前、お出かけ前など、活動を切り替えたいタイミング。

言い方の例:

  • 「あと5分でお片付けの時間だよ」
  • 「時計の長い針が6になったら、お片付けしようね」
  • 「もうすぐご飯だから、そろそろ片付けの準備しようか」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

保育の世界では「見通しを持たせる」と呼ばれる、最も基本的な関わり方のひとつです。子どもは大人が思う以上に遊びの世界に深く入り込んでいるため、突然の切り替えは強い抵抗を生みます。予告があるだけで心の準備ができ、自分のタイミングで遊びを終える練習になります。

園では「あと10分で給食だよ」「もうすぐお部屋に入る時間ね」と、活動の切り替えには必ず予告を入れます。家でも、家事に追われてつい急に「片付けて!」と言ってしまいがちですが、たった5分の予告があるだけで、子どもの反応が驚くほど変わります

📖 我が家での実例

我が家の次男は感情の切り替えがあまり得意ではなく、リビングでブロックに夢中になっているところに突然「もう片付けて!」と言うとふくれてしまうことがよくあります。

一方、慎重派の長男は声をかければ素直に動いてくれることが多いのですが、それでも遊びの最中だと「もう少しやらせて」と粘ることがあります。

そこで意識しているのが、寝る前やお出かけ前の「予告」です。「あと5分でお風呂入るから、そろそろお片付けの準備しようね」と先に伝えるだけで、次男も少しずつ気持ちを切り替えられるようになりました。

保育園でも、活動の切り替えの前には必ず「予告」を入れています。これは保育の基本ですが、家庭でも同じくらい効果があると日々実感しています。

②「あと◯回でおしまいね」とカウントダウン

使う場面:ブロックを積んでいる、お絵かきしている、ジャンプして遊んでいる――何かを続けたい子どもに、終わりを伝えたいとき。

言い方の例:

  • 「あと3回ジャンプしたらお片付けね」
  • 「もう2冊読んだら絵本はおしまいだよ」
  • 「滑り台、あと5回滑ったら帰ろうね」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

①の「予告」と似ていますが、こちらは回数で区切るのがポイント。まだ時計が読めない小さな子どもには、時間より回数のほうが理解しやすく、自分でカウントしながら気持ちを整える時間にもなります。

保育では「具体性のある終わり」を伝えることを大事にします。「もうおしまい」だけだと終わりのイメージが湧かず抵抗しますが、「あと3回」と数字を出すことで、子どもの中に明確な「ゴール」が生まれるのです。

ポイントは、子ども自身に数えてもらうこと。「1、2、3……はい、おしまい!」と一緒にカウントすると、ゲーム感覚で気持ちよく終わりを迎えられます。

📖 我が家での実例

「あと1回でおしまいね」と伝えても、子どもは絶対に1回では終わってくれない――そんな経験、ありませんか?我が家もまさにそうで、特に自己主張の強い次男は「もう1回!」「もう1回だけ!」のループにはまりやすいタイプです。

そこで最近取り入れているのが、「あと何回にする?」と子ども自身に決めてもらう声かけです。「3回!」と自分で宣言してくれれば、自分で決めた数字なので守ってくれる確率がぐっと上がります。

保育園でも、なわとびやブランコなど、お友達と交代で使うおもちゃのときにこの声かけが大活躍します。「あと10回跳んだら次のお友達に交代しようね」と回数を決めておくと、子ども同士で順番を待てるようになるんです。

回数を「子ども自身に決めてもらう」というほんの一手間で、子どもの納得感がまったく違うのは、保育の現場でも家庭でも日々実感しているポイントです。

③「ブロックさん、おうちに帰ろう」と擬人化する

使う場面:特に2〜4歳くらいの、ごっこ遊び期の子どもへの片付けタイム。

言い方の例:

  • 「ブロックさん、おうち(箱)に帰りたがってるよ」
  • 「ぬいぐるみさん、もうおねむだって。お布団に運んであげよう」
  • 「絵本さん、本棚で待ってるって言ってるよ」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

2〜4歳は「アニミズム」と呼ばれる発達段階にあり、物にも心や命があると感じる時期です。この時期にものを擬人化して語りかけると、子どもは自然と物に共感し、「かわいそうだから帰してあげよう」「優しくしてあげよう」と思いやりの気持ちで動けるようになります。

保育の現場では、おもちゃに名前を付けたり、「ありがとうね」と声をかけて片付けたりすることで、物を大切にする気持ちと片付けの習慣を同時に育てます。「片付けなさい」という命令ではなく、「助けてあげようね」というニュアンスに変わるので、子どものやる気にも火が付きやすい声かけです。

ちなみに、5歳を過ぎると「物に心はない」と分かってくる子も増えるので、この声かけが効きやすい黄金期は2〜4歳と覚えておくとよいでしょう。

📖 我が家での実例

我が家で大ヒットしたのが、子どもたちが、映画『カーズ』にどっぷりハマっていた頃のこと。ミニカーが家中に散らばっていて、ふつうに「片付けて」と言っても全然動いてくれませんでした。

そこで思いついたのが、空き箱でカーズ専用の「おうち」を作ってあげること。「マックィーンのおうちはここだよ」「カーズくんたちをおうちにかえしてあげてね〜」と声をかけたら、子どもたちは大はりきりで一台ずつ駐車場に並べてくれるようになりました。

ただの「片付け」が、「大好きなキャラクターをおうちに帰してあげる優しい時間」に変わった瞬間です。子どもにとっては片付けというより、お世話遊びの延長だったのかもしれません。

保育園でも、おもちゃそれぞれに「おうち」や「定位置」を作って、「○○さん、おうちで待ってるよ」と声をかけるのは定番の方法です。子どもの「大好きなもの」とつなげてあげると、片付けは驚くほどスムーズになります。

④「どっちから片付ける?」と選択肢を与える

使う場面:片付けるものがたくさんあって、子どもが「どれもやりたくない」と固まってしまうとき。

言い方の例:

  • 「ブロックとぬいぐるみ、どっちから片付ける?」
  • 「赤い箱と青い箱、どっちにしまう?」
  • 「ママと一緒にやる?ひとりでやる?」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

これは「自己決定」と呼ばれる関わり方です。人は命令されると反発しますが、自分で選んだことには納得して動けます。子どもも同じで、たとえ小さな選択肢でも「自分で決めた」という主体感があるだけで、行動への抵抗がぐっと減ります。

ポイントは、選択肢を「やる/やらない」にしないこと。「片付ける?片付けない?」と聞いてしまうと、子どもは当然「片付けない」を選びます。選択肢はあくまで「片付けることは前提」で、そのやり方や順番だけを子どもに選んでもらうのがコツです。

保育の現場でも、活動の切り替え時に「先に手を洗う?お茶を飲む?」と二択を示すことで、自然と次の行動へ進めるよう促しています。

📖 我が家での実例

我が家でよくやっていたのが、リビングにおもちゃがいくつも散らばっているとき。「片付けて〜」と言ってもまったく動こうとしない子どもたちに、こう声をかけていました。

「ママと一緒に片付けよう!どのおもちゃから片付ける?」

すると不思議なくらい、さっきまでやろうとしなかった片付けを、自分から進んでやり始めるんです。「ブロックから!」「ぬいぐるみがいい!」と、自分で順番を決めて動き出す姿には、何度も驚かされました。

ポイントは「ママと一緒に」と「どれから?」をセットにすること。ひとりでやらされる感じがなくなるうえに、自分で選んだ順番で進められるので、子どもの中で「自分で決めてやっている」気持ちが芽生えるんだと思います。

保育園でも、片付けの場面では「先生と一緒にやろう」「どっちのおもちゃから片付ける?」と二択を示すのは定番です。たった一言「どっちにする?」を加えるだけで、子どもの動きはまったく変わってきますよ。

⑤「ママは赤、◯◯ちゃんは青」と分担する

使う場面:片付ける量が多くて、子ども一人では圧倒されてしまいそうなとき。

言い方の例:

  • 「ママは赤いブロック、◯◯ちゃんは青いブロックを集めよう」
  • 「上の段はママが、下の段は◯◯ちゃんね」
  • 「絵本はママが本棚へ。おもちゃは◯◯ちゃんが箱へお願い!」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

保育では「協同性を育む」と呼ばれる関わりで、大人が一緒に手を動かす姿を見せることが何より大切とされています。「やりなさい」と上から指示するのではなく、「一緒にやろう」と横に並んでくれる存在がいるだけで、子どものやる気はまったく変わります。

特に「色で分担」「場所で分担」のように役割を明確に分けると、子どもは「これは自分の担当」と責任感を持って取り組めるようになります。終わったあとに「◯◯ちゃんの青いブロック、全部しまえたね!」と役割ごとに認めると、達成感も倍増します。

📖 我が家での実例

保育園でも、お片付けやお手伝いのときは「分担」を本当によく使います。子どもたちはみんな「自分が1番!」「自分にも役割がほしい!」と思っているので、何か担当をもらうことが大好きなんです。

たとえば、子どもたちが一つのかごを取り合ってケンカになりそうなとき。私はそっと別のかごを持って、こう声をかけます。

「あ、こっちのかごちょっと重たい〜…!力持ちの〇〇くん、手伝ってくれる?」

(実はそんなに重たくないことも多いんですが、子どもには「頼られた」「自分にしかできない仕事だ」という気持ちが芽生えるんですよね)

命令で「あなたはこっち!」と分けるのではなく、「お願いベースで分担をお願いする」のがコツ。同じ「分担」でも、頼られる形になると、子どもは胸を張って動いてくれます。

家庭でも、兄弟で取り合いになりそうなときに「お兄ちゃん、力持ちだから重いほうお願いできる?」「次男くんは、細かいのを集めるのが上手だからこっちお願い!」と、それぞれの「得意」や「らしさ」とセットで頼むと、ケンカが役割分担に変わります。

⑥「タイマーが鳴るまで競争!」とゲームにする

使う場面:片付けがマンネリ化して、声かけだけでは動かなくなってきたとき。

言い方の例:

  • 「タイマーが鳴るまでに全部しまえるかな?よーいスタート!」
  • 「この曲が終わるまでに片付けられたらすごいね」
  • 「ママと◯◯ちゃん、どっちが早く片付けられるか勝負!」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

子どもにとっての「片付け」は本来、つまらない後片付け作業。でも、ゲームの要素を入れた瞬間に「楽しい遊び」に変わります。これは保育で「遊びを通した経験」と呼ばれる考え方で、楽しい体験として記憶されることで、片付けそのものへの抵抗感も少しずつ減っていきます。

タイマーや音楽など「終わりが分かる仕掛け」と組み合わせるのがポイント。終わりが見える=集中できる、というのは子どもも大人も同じです。スマホのタイマーよりも、見える砂時計やキッチンタイマーのほうが子どもには分かりやすいです。

ただし、競争にすると負けた子が泣いたり拗ねたりすることもあるので、勝ち負けより「みんなで時間内にできた!」というチーム戦の形にするのもおすすめです。

📖 我が家での実例

我が家の定番になっているのが、お出かけ前の「家族みんなで3分だけ片付けようゲーム」です。

「タイマー鳴り終わるまでに、お部屋きれいにするよ!よーいスタート!」と声をかけると、子どもたちはもちろん、パパもママも一緒になって片付けスタート。3分って、聞くと一見短いんですが、家族みんなでやると驚くほどきれいになるんです。

ポイントは「短く区切ること」と「みんなで一緒にやること」。「ちゃんと片付けなさい!」だと終わりが見えなくて子どもはやる気が出ませんが、「3分だけ!」だと「それくらいならやってみよう」と思えるんですよね。しかも家族全員参加なので、子どもだけがやらされている感じもありません。

保育園でも、お片付けのときは「お片付けの歌が終わるまでね」「砂時計が落ちきるまでにできるかな?」と、終わりが見える仕掛けをよく使います。タイマーや音楽は、子どもにとって「ここまで頑張ればOK」の目印になるんです。

お出かけ前のバタバタした時間でも、3分タイマーをセットするだけで「片付けの時間」が生まれます。忙しい朝にもおすすめの方法です。

⑦「上手にしまえたね」と過程をほめる

使う場面:片付けを始めたとき、途中で頑張っている姿を見せたとき。

言い方の例:

  • 「自分で考えてしまえたね」
  • 「最後まで頑張ってるね」
  • 「丁寧にしまってくれてありがとう」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

心理学では「プロセスフォーカス」と呼ばれる関わり方で、結果ではなく過程をほめることで子どもの内発的なやる気が育つとされています。「えらいね」「すごいね」だけだと、子どもは「次もほめられるためにやる」状態になりがち。一方、「最後まで頑張ったね」「自分で考えてできたね」と過程をほめると、「頑張ること自体が嬉しい」という感覚が育ちます。

保育の現場では、できあがった結果よりも「やろうとした気持ち」「工夫した姿」を言葉にして返すことを大事にしています。これが自己肯定感のベースになるからです。

具体的なポイントは、「何が良かったか」を一言添えること。「すごいね」だけでなく、「ブロックを色ごとに分けてしまえたのがすごいね」と具体性を持たせると、子どもは自分の行動を振り返ることができ、次回も同じ工夫をしようとします。

📖 我が家での実例

保育園で私がいつも意識しているのが、お手本になるような行動をしている子を、具体的にほめること。

「△△ちゃん、そ〜っと丁寧にお片付けできてるね」
「□□くん、最後の一個まできちんと片付けられたね」

こんなふうに声をかけると、周りの子たちもパッと顔を上げて、自然と同じように丁寧に片付け始めてくれることが多いんです。「ちゃんとやりなさい!」と全体に呼びかけるより、ずっと効果があります。

ポイントは、「何が」「どんなふうに」良かったのかを具体的に言葉にすること。「えらいね」「すごいね」だと、ほめられている子も周りの子も、何が良かったのか分かりません。「そっと入れた」「最後まで頑張った」と行動そのものを描写することで、子どもの中に「こうすればいいんだ」というモデルが残ります。

家庭でも兄弟がいる場合、これは本当に使えます。たとえば長男が丁寧に片付けていたら、「お兄ちゃん、絵本を立てて入れてくれてありがとう」と次男にも聞こえるように声をかけると、次男も自然と同じように動き始めることがよくあります。

比べてけなすのではなく、良い行動を具体的にほめて、見せてあげる。これだけで、片付けへの関わり方は大きく変わります。

⑧「ここに入れてくれる?」とお願い形にする

使う場面:命令調になりがちなとき。「片付けて!」と言いたくなる瞬間。

言い方の例:

  • 「このブロック、あの箱に入れてくれる?」
  • 「絵本を本棚に戻してくれない?」
  • 「ママ手が離せないから、これしまってくれると助かるな」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

命令ではなく「お願い」の形にするだけで、子どもの受け取り方はガラッと変わります。「やらされている」感覚から、「頼られている」感覚に変わるからです。

これは「子どもを一人の人として尊重する」という保育の基本姿勢につながります。大人だって、「やれ」と言われるよりも「お願いできる?」と頼まれたほうが気持ちよく動けますよね。子どもも同じで、特に3歳を過ぎると「自分は役に立てる存在」と感じることが大きな自尊心の源になります。

注意点は、お願いした以上、断られても怒らないこと。「お願い」の形で頼んだなら、子どもにも断る権利があります。「じゃあこれだけお願いできる?」と量を減らしたり、「ママもやるから一緒にやろう」と切り替えたりする柔軟さがあると、長期的に協力的な子どもに育ちます。

📖 我が家での実例

我が家でうまくいっているのが、「範囲を区切って子どもに任せる」やり方です。

「ここは〇〇くんに任せるね!こっちはママが頑張るから、よろしくね〜」

このひと言を伝えると、不思議なくらい張り切って取り組んでくれます。「全部片付けて」と言うと終わりが見えなくて動けない子も、「ここの範囲だけ」と任せられると、ぐっとやる気が出るようです。

ポイントは2つ。1つは「任せるね」と信頼の言葉を使うこと。「やって」「片付けて」ではなく「任せる」と伝えると、子どもは「自分は頼られている」「これは自分の仕事だ」と感じられます。

もう1つは「ママも頑張るから」と並走の姿勢を見せること。子どもだけにやらせるのではなく、自分も別の場所を担当することで、「一緒にやっている」感覚が生まれます。これは保育園で大人が一緒に手を動かすのと同じ理屈ですね。

「やってくれてありがとう、助かったよ」と最後にお礼を伝えると、次もまた「任せて!」と動いてくれる、いい循環ができていきます。

⑨「片付け終わったら◯◯しようね」と楽しみを伝える

使う場面:おやつ前、お風呂前、好きな活動の前など、片付けの後に楽しいことが控えているとき。

言い方の例:

  • 「片付け終わったら、おやつ食べようね」
  • 「片付けたら絵本を読もうか」
  • 「片付け終わったら、公園に行こう!」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

これは「見通しを持たせる」声かけのプラスの応用版です。「片付けが終わったら楽しいことがある」と分かると、子どもは前向きに片付けに取り組めます。

ただし、ひとつだけ気をつけたいNGパターンがあります。それは「片付けないとおやつあげないよ」「片付けないと公園行かないからね」という条件付け(脅し)の形。これは一見似ていますが、子どもに「やらないと罰がある」というネガティブな印象を残してしまいます。

保育では同じ伝え方でも、「できないと罰」ではなく「できたら楽しいことが待っている」というポジティブな表現を選ぶよう徹底しています。たった一言の違いですが、子どもの受け取り方はまったく違うのです。

📖 我が家での実例

我が家の次男は、とにかく食べるのが大好き。そんな次男に効果てきめんなのが、この声かけです。

「片付け終わったら、おやつタイムしよう〜!」

たったこれだけで、目をキラキラさせてものすごい勢いで片付けを始めます。「片付けて!」と何回言っても動かなかったのに、「おやつ」のひと言で別人のように動き出すのは、見ていて笑ってしまうほどです。

ポイントは、お子さんが「これだけは絶対やりたい!」と思っているものを楽しみに添えること。我が家の次男はおやつですが、お子さんによっては「絵本」「アニメ」「お風呂のおもちゃ」など、好きなものは違います。お子さん自身の「好き」を知っているからこそ使える、お母さんならではの声かけだと思います。

保育園でも、給食やおやつの前は「お片付けが終わったら、給食食べようね〜」というのは定番。「楽しいことが待っている」という見通しが、子どもを動かす一番のエネルギーになります。

ただし「片付けないとおやつあげないよ」と脅しの形にしないのがコツ。「食べた後で残ったおもちゃ片付けようね」と前後を入れ替えるだけでも、子どもの気持ちはまったく違ってきますよ。

⑩「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝える

使う場面:片付けが終わった後。一日の終わりや、節目のタイミング。

言い方の例:

  • 「ありがとう、お部屋がきれいになって気持ちいいね」
  • 「助かったよ、ママうれしい」
  • 「◯◯ちゃんのおかげで、家族みんなが気持ちよく過ごせるね」

🌱 なぜ効くのか(保育の理論)

最後の「ありがとう」は、実はすべての声かけの中で一番大事かもしれません。子どもは「ほめられる」ことよりも、「自分の行動が誰かを喜ばせた」と実感することで、もっと大きな満足を得ます。これが、次の日も自分から片付けようとする内発的なやる気につながります。

保育では「自己有用感」(自分は誰かの役に立てている、という感覚)を育てる関わりとして重視されています。「えらいね」「すごいね」が他者からの評価なのに対し、「ありがとう」「助かった」は子どもの行動が周囲にもたらした影響を伝える言葉。これが自己肯定感の土台になるのです。

ポイントは、できるだけ具体的に感謝を伝えること。「ありがとう」だけでなく、「片付けてくれたおかげで、ママご飯の支度に集中できたよ。本当に助かった」と理由まで添えると、子どもは「自分の行動には意味がある」と深く感じられます。

📖 我が家での実例

私が今でも忘れられない、ある日のエピソードがあります。

兄弟二人が小学生になった頃。買い物に出かけて、初めて二人だけでお留守番をしてもらった日のこと。

帰ってくると、玄関でニヤニヤしている二人。「なんだろう?」と思ってリビングへ行くと…おもちゃも、出しっぱなしだったものも、全部きれいに片付けられているんです。びっくりして思わず声が出ました。

「すごーい!ありがとう!とってもきれいで、気持ちがいいね!」

そう伝えると、二人ともそれはもう嬉しそうに、にっこにこ。お互い顔を見合わせて、誇らしげな表情をしていました。

誰にも頼まれていないのに、自分たちで考えて、片付けて、ママを喜ばせようとしてくれた。あの瞬間、それまで日々積み重ねてきた声かけが、子どもたちの中で「片付け=気持ちのいいこと」「ママが喜ぶこと」になっていたんだと実感しました。

「片付けなさい!」と怒鳴っていたら、きっとあの日、子どもたちは自分から片付けようとは思わなかったと思います。毎日の小さな「ありがとう」の積み重ねが、子どもの自発的な行動と、家族の温かい瞬間を作ってくれるのだと、心から感じた出来事でした。

声かけの効果を高める3つのポイント

10個の声かけをご紹介しましたが、ただ使うだけでは効果が出にくいこともあります。実は、保育の現場で大切にしている「効果を高めるコツ」が3つあります。

ポイント①|同じ声かけを続けて「習慣」にする

子どもは繰り返しによって学びます。一日だけ「あと5分で片付けね」と言って効果が出なくても、毎日続けることで、子どもの中に「片付けの時間」というリズムができていきます。

保育の現場でも、声のかけ方を統一することを大事にしています。ある先生は「片付けるよ」、別の先生は「お片付けの時間ね」、さらに別の先生は「お部屋きれいにしよう」とバラバラだと、子どもは混乱してしまうもの。

家庭でも、できればパパとママで同じ言葉・同じタイミングを意識すると、子どもにとっての「お片付けスイッチ」が入りやすくなります。

ポイント②|完璧を求めない(やる気を削がないコツ)

「ここちゃんとしまえてないよ」「もっときれいに並べて」――つい言ってしまいがちな言葉ですが、これは子どものやる気を一瞬で削いでしまいます。

保育の世界では「結果よりも、やろうとした気持ちを認める」が鉄則。たとえ箱に乱雑に詰め込まれていても、「自分で片付けようとした」その姿勢を最大限に評価します。完璧な収納を求めるのは大人の都合。完璧でなくても「片付けが終わった!」という達成感を子どもに味わわせることのほうが、長い目で見ると大切です。

直したいところがあれば、子どもがいない時間にこっそり整え直すというのもアリです。

ポイント③|できたときは「具体的に」ほめる

「えらいね」「すごいね」だけだと、子どもは何が良かったのか分かりません。ほめるときは「何が」「どう良かったか」を具体的に伝えるのがコツです。

ほめ方の比較

NG例:「えらいね!」
OK例:「青いブロックを全部箱に入れられたね。色を分けて片付けるって意外と難しいんだよ」

具体的にほめられると、子どもは「次もこの工夫を続けよう」と自分の行動を意識的に振り返れるようになります。これが「自分で考えて行動できる子ども」に育つベースになります。

【年齢別】効果的な声かけのコツ

年齢によって、効きやすい声かけは変わってきます。発達段階に合わせて少しずつ調整してみましょう。

1〜2歳|「一緒にやる」が大前提

この時期の子どもにとって、片付けはまだ一人でできる作業ではありません。大人が一緒に手を動かすのが基本。声かけよりも、まずは隣でやって見せる、手を添える、という関わりが大切です。

おすすめの声かけ:

  • 「一緒にしまおうね」
  • 「ママと半分こしようか」
  • 「これはこっちに、ポンしようね」

特に効くのは③の擬人化。「ブロックさん、おうちに帰ろうね」と物語仕立てにすると、楽しい気持ちで取り組めます。

3〜4歳|選択肢とゲーム性で意欲アップ

自我が芽生え、「自分で決めたい」「自分でできる!」という気持ちが強くなる時期。命令されるのが一番嫌いな年齢でもあります。

おすすめの声かけ:

  • ④選択肢を与える(「赤と青、どっちから片付ける?」)
  • ⑥ゲームにする(「タイマーが鳴るまでに片付けられるかな?」)
  • ③擬人化(この年齢でもまだ効きます)

「自分で決めた」「自分でできた」という体験をたくさん積ませてあげましょう。

5〜6歳|自分で考える余白を残す

「指示されてやる」より、「自分で考えてやる」が嬉しい時期。子どもなりの工夫やアイデアを認めることで、自主性がぐっと伸びます。

おすすめの声かけ:

  • 「どうやって片付けたら早いと思う?」
  • 「自分でやり方、考えてみて」
  • ⑩感謝を伝える(「助かったよ、ありがとう」)

この時期は、結果よりもプロセスやアイデアをほめることを意識すると、自己肯定感がぐんぐん育ちます。

それでも片付けないときの対処法

色々な声かけを試しても、どうしても片付けない日もあります。そんなときに見直したい3つのポイントです。

「片付けないと捨てちゃうよ」が逆効果な理由

⚠️ よくあるNGワード

イライラが頂点に達したとき、つい言ってしまいたくなる言葉。でも、これは子どもにとってかなり強いショックで、心に残りやすい一言です。

「捨てる」と言われた子どもは、片付けの動機が「物を取られないため」になります。これは恐怖による行動で、片付けへのネガティブな印象がどんどん強くなる悪循環に陥ってしまいます。

「片付けないと◯◯」という条件付け(脅し)が口癖になっている方は、まず⑨でご紹介した「片付けたら◯◯しよう」というポジティブな表現に置き換えるところから始めてみてください。

収納環境を見直す(高さ・量・分かりやすさ)

声かけを変えても効かないときは、そもそもの環境が片付けにくいのかもしれません。

チェックポイントは3つ:

片付けやすい環境チェック
  • 高さ:子どもの手が届く位置に収納がありますか?
  • :おもちゃが多すぎませんか?適正量は「子どもが自分で管理できる量」
  • 分かりやすさ:どこに何をしまうか、子どもにも一目で分かりますか?

保育園では、子どもの目線に合わせた高さで、写真や絵のラベルを貼って「どこに何をしまうか」を視覚化しています。家庭でも、おもちゃ箱に「ブロック」「ぬいぐるみ」と書いた紙や写真を貼るだけで、片付けやすさが格段に変わります。

子どもの気持ちを言葉にしてあげる

どうしても片付けない日は、声かけよりも先に「片付けたくない気持ち」に寄り添うことが大切です。

例:

  • 「まだ遊びたかったんだね」
  • 「終わるのが寂しいよね」

これは「感情のラベリング」と呼ばれる関わりで、自分の気持ちを言葉にしてもらえると、子どもは安心して落ち着くことができます。気持ちが落ち着いてから、「じゃあ、あと1回だけ遊んで、それからお片付けしようか」と提案すると、不思議とスムーズに動いてくれることが多いです。

まとめ|声かけ次第で「お片付け」は楽しい時間になる

「片付けなさい!」が口癖になっていた毎日も、声かけをほんの少し変えるだけで、子どもとの時間がずっと穏やかになります。

10個すべてを一度に取り入れる必要はありません。まずはひとつ、お子さんとの生活の中でしっくりくる声かけを試してみてください。一週間続ければ、きっと小さな変化を感じられるはずです。

子どもは「ほめられたい」よりも、「自分の行動が誰かを喜ばせた」と感じることでぐっと成長します。「片付けなさい」が「ありがとう」に変わる日は、思っているより近いかもしれません。

この記事を書いた人

保育士・幼稚園教諭の資格を持つ2児のママ「くるみ」。「こどもとくらす」では、保育の現場で学んだ知恵を、毎日の子育てにそのまま活かせる形でお届けしています。

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